第一章 トレードの現実と負のスパイラル
■ 2隻の船
■ 初心者が陥りやすいパターン
■ さらに深みへと…
■ 90パーセントの個人投資家は負けているという事実
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【2隻の船】
海に投げ出され浮き輪ひとつで溺れかけている青年がいた。
そこに2隻の船が通りかかった。
1席は普通の船だったが、もう1隻は海賊船だった。
溺れている青年はどちらの船にのるかを迷っているようだった。
そこで2人の船長は言った。
「本来なら、すぐに決断してもらうのですが、今回は両方を体験して決めてください。」
先に体験したのが海賊船での1日だった。
そこで彼はカジノでたくさんのお金を儲け、海賊の仲間たちと刺激的で最高なひとときを過ごした。
次に普通の船での1日である。
そこでは船の上でぼんやりと平穏な1日を過ごした。
彼は2人の船長に言った。
「こんなことを思うとは考えてもいませんでしたが、海賊船の方が私には向いているようなんです」
その光景を地獄から見ていた閻魔大王が似たりと笑っている。
そして彼は海賊船へと乗り込んだ。
そこでまた同じようにカジノを楽しんだ青年は、今度はワナを仕組まれスッカラカンになった。
そして海賊の仲間からいたぶられて、身包みを剥がされ腸をナイフで刺された。
「これはどういうことだ?昨日来たときとは、まるで人が変わったようではないか」
船長が答えた。
「昨日はお試し体験だったからね。今日は現実を体験してもらうのさ」
トレードは多くの人の夢をかなえてくれるビジネスである。
そして一般の人がトレードを始めるときはたいていが誘惑され夢を抱いてやってくる。
しかし投資を始めると誰もが成功への道を踏み外しているのに気づかないことがある。
それどころかわざわざ最も困難なことを難しい方法によって達成しようとしているのだ。
通常スポーツや運転免許、職業の世界でもそうだが代価を支払い、知識と技術を得てからスタートする。
そうした結果、高い収入や結果が得られることになるからだ。
ところがトレードはこうした準備がなくても始められる。
これが結果的に「準備がなくても成功できる」と勘違いをさせ、間違った方向に向かわせてしまうことになる。
次第にトレーダーになるために必要な勉強をしていない投資家にとっては、生き地獄となる現実がまっている。
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【初心者が陥りやすいパターン】
トレードを始めるときにまず証券会社の営業マンにお願いすればプロのアドバイスが得られるから
大丈夫と頼ってしまったことがないだろうか。
お金を払わずにアドバイスを受けることができないかと考えたことはないだろうか。
その結果大きな損失を出して、証券会社の営業マンに文句を言ってしまった経験を皆さんも一度は
しているだろう。
実際にバブル崩壊、ITバブル崩壊、サブプライムローン問題などで上がるだろうと思っていた株価が
暴落して呆然としている投資家の姿を私は何度も目にしている。
証券会社の営業マンが駄目だと分かると次には投資に詳しい人を見つけて、無料でその情報を
手にいれようとする。
投資クラブに入っている友達などに会い、推奨銘柄や投資法、買い時などを聞きだして良い情報を
得られたとワクワクしてそれに従うわけだ。
偶然であっても上手く利益がでればこのやり方は正解だったと、ますます信じるようになる。
ここでのビギナーズラックは間違った経験をさせてしまうことになる。
しかしあるとき何かのきっかけで暴落が始まると、その人の方法論もしくはその情報でトレードを行ったトレーダーは、相当額のお金を失うことになる。
その人に裏切られたと思ったトレーダーはなぜこんなことになったのかと相手を攻めることになるわけ
だが、そうすると2人の信頼関係にひびが入ることになる。
ただで成功を得ることができないと分かったトレーダーは少しの代価なら払っても仕方ないと考える
ようになる。
そこで登場するのが簡単に億万長者になれるというような類の本だ。
ここで教科書的な本に出会えば良いのだが、それだと数万〜数十万程の経費がかかってしまう
わけだ。
それも1冊では習得できない。
しかも専門的で何をいおうとしているのかわからない。
こうした理由から、手に取りやすい本を購入してしまうことになる。
ここで起きるのが、リスクが高い投資法や使えない投資法を真似て損失を出してしまうケースだ。
経費を使いたくない。
努力をしたくない。
そんな考え方が本当に使えるトレードシステムが数千円の本に載っているのかどうかさえも盲目に
させてしまうことになる。
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【さらに深みへと…】
ここで勝てないと分かった人はどんな行動にでるのだろうか?
私の知る多くのパターンでは、プロにお金を支払えば必ず勝たせてくれるという幻想にしがみつこうと
するケースが多い。
投資顧問の推奨銘柄や有力情報を買ったり、投資信託やプロが作った自動売買を購入すれば絶対に損はしないと思い込むことだろう。
当然だが知識や技術のない人が、人に任せて儲けることが出来るほどこの世界は甘くないことを知ることになる。
ここでようやく勉強しなくてはいけないのかと自問することになるわけだが、ここでもやはり代価をはらうことには躊躇するだろう。そこで無料のセミナーをうけることになる。
受講後さらなるステージにステップアップできればいいのだが、選択を間違えると再び負のスパイラルを繰り返すことになる。
こうしてただで魚を貰おうとするほとんどの人が90%の負組みになっていることにほとんどの人は
気づかないはずだ。
一度そこにはまると抜け出すのに時間がかかるうえ、相当な授業料を支払うことになる。
それを取り戻そうとすればするほどアリ地獄に落ちていくのだ。
実際に最近でもサブプライムローン問題の暴落により、個人投資家が数千万以上の損失を出し、
私のところへも相談者が続出した。
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【90%の個人投資家は負けているという事実】
こうしたラットレースは初心者が陥る落とし穴の第一ステージに過ぎない。
もしあなたが最初に間違った方向に向かってしまったなら、すぐに修正軌道することをお勧めする。
これだけ言うと、「トレードでは絶対に儲からないのか」と思う人もいる。
勘違いをしないで欲しいが、あくまでも必要な勉強をしていない投資家にとっての話である。
きちんと正しいやり方でトレードをマスターした人とは大きな違いがあるわけだ。
上記は過去2年間の信用取引損益率だ。
これは個人投資家の損益を表しており、グラフの中の赤ラインが損益0のラインである。
これを見ると過去において、ほとんどが赤のラインより下で推移していることがわかる。
つまり個人投資家のほとんどがこの2年間で利益を出すことができていないということになる。
このように負のスパイラルに陥った個人投資家が90%存在しており、あなたが残りの10%の投資家のようになるには、きちんとした理論や手法を理解して、自分自身で判断をしてトレードに望むことだ。
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<第2章 なぜテクニカル分析が有効なのか?> へ続く⇒
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